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※注)

文中の難読漢字については・・・


長万部=おしゃまんべ

訓子府=くんねっぷ

音威子府=おといねっぷ と読みます


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てもみんを断念し、

次に向かったのは、

「リラクゼーションうんたらかんたら」と書かれた

ごく普通のマッサージ店。


「癒しだか卑しいだかが流行る大分前から

やってましたぜ」のニオイを感じさせる

古き良きマッサージ店。


雑居ビルのエスカレーターを降りると

そこはもう入り口。


のれんで仕切られた奥のマッサージルームにむかい、

「はよー温かいメシ食べさせてあげたいわ」と、

貼り絵の人と同じ名前の香川の人ばりの

名台詞で気をひこうとすると、

奥からのっしのっしとおばはんがやってきて

招き入れてくれました。


おばはんは

「ショート?グランデ?」と、

マッサージのコース時間の単位と

スタバのボリュームの単位をごっちゃにしながら

聞いてくるので、

「トール60分コース」と

両方の意味で受け取れるように

返答しました。


さらに名前も聞いてくるので、

ここはTAZさんにお願いし、

「長万部(仮名)です」といったところ、

「はいはい、訓子府さんね」と音調は似ているものの、

全く別人の苗字と聞こえたようなので、

TAZさんが

「長万部(仮名)です」と、

語気を荒げないまでも、ややこぶしに力が入りながらリピートすると、

「音威子府さんね、はいはい」と答えたので、

「シーメンス(*1)の営業さん呼んだろか、老婆」と

心の中の温度50度ほどのやや熱めな怒りを滲み出しそうになりつつも、

「ぁ、ぇぇ」と受け入れてしまったのでした。


とまぁ、

マッサージを受ける前としては、

いいストレスのため方をしつつ、

待っていたところ、

奥から出てきた女性が、

「いまからですと1時間後ぐらいに開始です。

サウナ行くなりして時間つぶしてから来いや」と、

やんわりと

「忙しいから君らのようなコリでできているような野郎どもは

正直やりたくないどす。帰らんかい」

との返事を受け、またも断念するに至りました。


そういや、最初に名前を間違えまくった

おばはんはいつの間にか姿が見えませんでした。


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*1 シーメンス・・・・・補聴器メーカーの大手



つづく